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執筆者の写真アトリエよりみち

【超推薦】芸術的な感性:男性と女性の違い

更新日:2021年7月30日



美術の世界の男女比



私が当時倍率10倍近くの多摩美術大学の油画科に独学で入って驚いたこと。


それは、

多摩美大の大半の生徒が女性ということでした。









多摩美術大学↑


美大に入るまでは10人ほどしかいないような小さな予備校に行っていたので、そういう現状は全く知りませんでした。

タマビの油画科は125人居て、女子は約80人、男子は約40人でした。

それもタマビだけでなく、人数の多い美大は全国でそういう傾向なんです。

しかし、プロの画家や教授などになると女性は少数で大半が男性と逆転現象が起こっている。

左図1は女性の各主要美大の割合だが、どこもおよそ6割り以上は女性です。

右図5は美術館の収蔵作品の男女比です。プロのアーティストの割合ということですが、こちらは逆に約8割が男性です。













この傾向は日本国内だけでなく、海外でも同様女性のキャリア進出のマイノリティであります。

この理由はハッキリとはわかりません。

もしかしたら美大関係なく、芸術的な創作をしている人たちは大半が女性なのかもしれないと思っています。

しかしプロになると男性が多いのは、なぜなのか。



プロになっても辞めてしまう

まずプロになっても早々に辞めてしまうということがあります。

私の個人的な経験をお話します。

4,5年間全国の百貨店で作家連中と一緒に展示即売をしてきた中で観てきたことです。


辞めてしまう例として、

・展示しても一枚も絵が売れなかったことにショックを受けて辞める。

・お客さんからの下手な助言やときに辛辣な言葉をキッカケに辞める。

・配信などしてネットなどで展示を知って来たファンが、他の作家さんの絵を買ってしまったことで辞める。

・結婚を機に食うのが難しいアートを引退する。

・美術業界特有のダークサイドな部分に嫌気がさして退く。

・人間関係で病む


などがありました。

数十人の作家は現場で見てきました。

だから「せっかく美大まで出たのに勿体ないなあ」なんて思っていました。

そして、この大半が女性でした。




阪神百貨店(梅田)


余談ですが、

私も大阪の阪神百貨店で初めて展示したときは、なかなか売れないし、精神的に極限までマイってしまいました。

絵が売れないというのは想像以上に精神的苦痛を感じます。

まるで自分自身が拒絶されているのと同様に感じます。

そのせいで私はその時だけ初めて心療内科に世話になりました。

精神薬を飲みながらボロボロの状態で10時~20時までの10時間まるまる1週間接客していました。

しょっちゅう屋上に逃げていましたけど(笑)

いきなりポンポン売れる人はほとんどいません。

辛いのは皆一緒なんです。



女性であることのアドバンテージ

女性はキャリア進出が難しいという側面は一般的にもアートの世界でも思われているかもしれませんが、実際は女性の方が有利に働く面が大きいと私は思います。

少なくともアートの現場ではそう思いました。

その一番の理由は「美人〇〇」


一般的に女性はTwitterやインスタ、TikTok、Youtubeやツイキャス,17ライブなど配信系でも、男性よりも圧倒的にファンが付きやすいです(美人でなくても)。

これはTV、新聞、雑誌などのメディアでも同様です。


プロで最も重要な部分は「知られること」です。

その宣伝という最も重要な部分を男性よりも大きくアドバンテージを取っている状態はとても羨ましいです。



女性は支持者が付きやすいという話ですが、

私の過去のグループ展示で、広島の百貨店で男女12人(女6:男6)でVS方式で展示をした企画がありました。

1週間展示して人気のチーム(女か男)を決めて、人気のチームは来年度は6人だけのそのチームで展示が出来るという企画でした。




一週間展示して、作品の売上は男子が女子の倍ありました。

しかし会場に設置した投票箱には女性の支持が多かった為、男性陣は来年の展示は出来ませんでした。









他にもありました。

男女の作家を一堂に集めて企画しているプロデューサーが、TVと新聞のメディアに男女でそれぞれ展示の案内を送ったのですが、取材が来たのは女性陣だけでした。(男性陣は受賞歴や多くの展示歴などキャリアがありましたが)

一般に「美人画家」、「美人作家」、「美人運転手」、「美人、、、」とにかく「美人〇〇」はよく聞きますが、「イケメン〇〇」はさほど聞きません。

「美人〇〇」をメディアが使いすぎて新鮮味が無くなった結果、近年は「美人すぎる○○」などというフレーズをメディアは使っていますね。


愚痴のように聞こえたらスミマセン。

伝えたいことは以下です。


あなたが女性なら、この世界では有利なことが多いと思います。

アドバンテージがあるなら、それを利用しましょう。



美人を巧みに使って大成功した「女流画家」

これをもっと大きな話で言うと、

情熱大陸にも登場した「小松美羽」という女流画家がいます。


彼女は画家としてメジャーになる前に実は「美人画家」という名目で、TVに出ていました。そしてタレント化していました。

彼女が名を馳せたのは先に「美人」という点です。作品ではないのです。勿論ただ「美人」なだけではTVに出れません「画家」だからです。

ルックスでTVに出る。

そのついでに作品をTVで宣伝する。

ちょっと疑問に思いますが、実はこれが大成功の原則なんです。

プロとしてメジャーになるには宣伝が最も大事と言いましたが、それを最も巧に使ってメジャー化したのが彼女です。




上記の写真なんか、わざと手や顔に絵の具をつけて演出している確信犯と思いますよ(笑)

そもそも他人が撮影していますし。

「綺麗な顔した女性が絵の具と格闘してる絵」。

ギャップ萌えですよね。

誰の考えかわかりませんが、これもプロモーションの一環なんです。

すべて演出をパッケージとして魅せること。

ここまで戦略化するが重要なのです。


私はたまにこの言葉を生徒さんに言ったりします。

「凄いから話題になったのではない。話題になったから凄いと思われる。

このプロセスなんです。

先に話題にすることで、凄いと思わせる。

これが大成功の原則です。




男女の絵の違い

私は美大で過ごしてから、その後プロのアーティストとして全国の百貨店で展示即売をしてきて多くの絵描きに会い、100人近くと一緒に展示即売の仕事をして、多くの作品を観てきました。展示だけなら数千人以上かもしれません。

それだけでなく、美術館や、私の好きな画集や資料などの文献も観てきました。


その中で思ったこと、

「男性の描く絵」と「女性の描く絵」の違いです。

   森本草介            國司華子


ものの形を具体的に(リアルに)描く具象が得意な人は男性が多いです。

対して女性はリアル派よりも柔らかい頭を利用して、「色彩」や「表現」を重視する作品が多いです。


日本で唯一、具象の極致である「写実」に特化した画壇に「白日会」という公募団体があります。そして、その白日会の会員の中でも現役で活躍している「プロ」はほとんど若手です。その中では女性は少数になります。会員レベルでは女性も少なくはないのですが、プロになると少数派になります。

なぜかと言うと、具象は男性が多いからです。

具象絵画を描く女性は少ないのです。






これは漫画の世界でもなんだか似ていますね。


「少年漫画」と「少女漫画」では絵柄が違います。

少年漫画は高い画力と作品内容が独特です。

少女漫画は絵柄よりも恋愛や感情的な表現を重視している感が在ります。



最後に



私はこの男女の作品の違いを多摩美時代に、油画科125人の作品をズラーっと並べたときに初めて気が付き、その後は美術館やギャラリーなどの展示、ネットや資料などの情報で見てきました。


男は形にこだわり、作品を研究する。

女性は色彩や感情的なことにこだわり、わりとあっさりしている。


この違いは性差によるものと思いますが、

これは基本的な男女が異性を観るときの感覚に似ているなと思いました。

男性は見た目を重視し、深く依存する。

女性は内面を重視し、現実主義。


戦略で世界的にアートを大成功させた「村上隆


アートは感覚というのは素人の領域で、その感覚は女性の方が向いているからプロ以外は女性が多いのではないでしょうか。

アートはまだ世に誕生していない新しいものでないと評価されません。

プロの世界で通用するのは、練りに練って計算し尽した戦略的な作品です。

まさに時間をかけて研究しないと出てこないものです。

そういうのは凝り性な男性は得意なのでしょう。

ただ、感覚重視の作品がダメというわけではありません。

感覚や偶然性などを利用したアートが流行っていた時代もあります。

現代の美術では、計算しつくした「頭を使ったアート」の時代なんです。

バンクシーなんかモロそうですよね。


そして、「感覚」のような直観と、「計算」する論理的思考の育て方ですが、

芸術の領域は子供までは右脳を中心にし、大人になったら左脳を中心に展開しないといけないのです。


私は女性の柔らかい発想で描く作品に憧れています。

その感覚こそアートを踏み出す領域には必要なものだと思っています。


ここで提案ですが、

もしあなたが絵を描いていて、スランプに陥ってしまったとき、自分の中でまだ知らない未知の領域に踏み出してみませんか。


あなたが女性なら、男性のように形にこだわる(描写を極める)練習をしてみたらいかがでしょう。色んな作品を観て、もっと研究してみてはどうでしょう。

あなたが男性なら、女性のようにうまく描こうとすることから離れて、色彩や発想を工夫してはどうでしょう。抽象画のように偶然性からナニカを生み出しても良いでしょう。


お互いの無いものをカヴァーしたり利用して引き出しを増やす。

その試行錯誤の中からマスターピース(傑作)は生まれるのです。


LGBTなど、セクシャリティが特有の方は海外ではアートの成功者が多いとも言われていたりします。

まあ実際に結構います。

最も有名なのはエイズで亡くなったアメリカのキース・へリングと思います。

彼は1980年代のアーティストで、作品はグラフィティと言って公共の壁や地面に絵を描くスタイルです。作品は主に「差別撤廃」、「核廃絶」、「LGBT」などでした。

キース・へリング



それに昔の偉大な巨匠ミケランジェロだって大きな疑惑があります。

ミケランジェロはダヴィデ像を筆頭に男性ばかり作り出すので、言われなくてもわかりますが(汗)


ダヴィデ(ミケランジェロ作)





あと昔のあの世界一有名な巨匠ダヴィンチだって同性愛の疑惑で裁判にかけられ、当時のイタリアの裁判記録にもそのことが残っています。




モナリザ(ダヴィンチ作)



LGBTの方は両方の気持ちが解るので、アートでは両方の良いところ取りだから成功者が結構いるのかもしれませんね。



描けた部分を補い、アートで是非とも完全体を目指してください。


この記事があなたの新しい一歩になることを願っています✨✨


アトリエよりみち講師YUTA

(アーティスト名:すー)











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